◆告知の後に思い感じる事
今回行った針生検では針で取った一部の小さな細胞の事しか分からない。その小さな細胞は「非浸潤癌(初期のガン)である可能性が高いけれど、手術後、取り出したガン細胞全体を見たら、実は浸潤している(転移していた)って事もあるらしい。初期のガンであれば手術で完治するかも知れないし、転移していれば抗がん剤やら放射線やら治療が必要になるかも知れないし、最悪の場合は(考えたくもないけれど)主治医から「残念ですが…もう手の施しようが…」なんて言われる事もあるかも知れない
これは自分だけの問題ではない
当時、夫は幼稚園で園児に英語を教える仕事をしていた。来日2年ちょいで日本語は微妙、私より3歳年下、結婚3カ月、妻はガンになり今後の経過は手術してみなければ分からない。命は助かっても今後子供は望めないかも知れない。極めて厳しい現実だと思う。もしも私に万が一の事があった場合、今のアパートは広過ぎるし、解約手続きを彼一人で大丈夫だろうか。諸々の連絡先や手続き方法を分かりやすく残しておかなくては。
そして母親。孫の顔は見せることができないかも知れないけど、すでに初孫がいたことはありがたかった。父親は孫の顔を見る事なく他界している。
夜になるとネガティブな思考を繰り返し、でも朝がくると化粧をして仕事に向かった。忙しい仕事(当時私は介護士として働いていた)で日中は集中し、病気の事は考えずに済んだ。
入院日が決まると、それに向けて検査のスケジュールが組まれた。「ちょっとその日は仕事が…」なんて言える状況ではなく、会社や同僚に迷惑を掛ける事が続き、仕方なく上司にだけ病気の事を伝え配慮してもらう事に。けれど、結局この会社は手術前に退職することになる。
手術まで1カ月