◆10ヵ月+6時間半の気持ちをぶつける!再建初診!②
乳がんの診察や妊婦検診で、病院で待つのは慣れっこ。
2~3時間待つのはザラで、この日もたっぷりと本や仕事を持参して準備万端で臨みました。
13:00初診はまず総合受付へ、対応して下さったのはまだ研修中っぽい女性で、何度も何度も書類を確認し何だか新鮮。
形成の待合で待っていると不思議な現象に気が付く、何だか仕事がはかどるのだ。
あれもやり、これもやり、それをやっつけてとどんどん仕事が終わっていく不思議。それもそのはず、いつの間にか日が傾いていた。あれま?外は薄暗い。待合に人けがなくなっている。4時間待ったところで、心配になり受付で確認すると「あなたは今日最後なんです、待たせてごめんなさい。でも話しやすい先生だから、後に待ってる人いないと思って、しっかり聞きたい事を聞いて下さいね」美人事務員さん。なるほど。それならばと、コンビニで腹ごしらえしてさらに仕事を進める。
仕事に飽きてきてコンビニスイーツ。
院内ブラブラ徘徊。
外は真っ暗、病院に人気がなくなり、各科のシャッターが閉まり、広いフロアに患者は私だけ。
待ち時間最高記録。乳がんになって、また新しい経験が増えた。
その時にポケベルがビビーっと鳴り、19:30私の順番がやってきた事を知らせた。
先生はまず自己紹介をしてくれた。
「あなたが最後の人だね、待たせてごめんね、形成の〇〇です」
知っております。あなたに会うために10ヵ月+6時間半待っておりました。最近のアイドルグループの事は知らないけど、あなたの名前ならフルネームで言うことができます。
さて、診察。
4年経って再建しようと思ったのはなんで?子供に関係あるの?旦那さんどこの人?何してるの?翻訳?専門は?あなたは何してるの?え、下着作ってるの?へ~など色々お話ししたところで本題へ。
パッパッと服を脱ぎ、診てもらい、尻や腹の脂肪をつままれ(厚みチェック)、パシャパシャと写真を撮る。
「あっち向いてみようか」「こっち向いてみようか」「横向いてみようか」
パシャパシャパシャ。
「手をこんな感じで(手術側の手を頭の後ろ)」
パシャパシャ。
それはもう、これまでも(恐らくこれからも)ないであろうグラビアアイドル体験。
再建に対する私の希望を聞いた後、先生からは2つの提案があった。すらすらとイラストを描きながら説明をしてくれる。(一応、今の私の状況を説明しておくと、私は4年半前に右胸を全摘していて、現在0歳に授乳中)
一つ目のプラン(これをプランAと呼ぶ)には3回の手術を必要とする。
1:エキスパンダーを入れる手術→通院でお水を入れて少しづつ皮膚を伸ばしていく
2:エキスパンダーを抜き、内もも(足の付け根に近いあたり)の脂肪を移植する手術
3:乳輪乳頭を作る(これも、タトゥーとか移植とか色々と方法がある)手術
このプランAで出来上がるのは「授乳期間を終えた通常時(風船がしぼんだ感じ)」の仕上がりを想定した胸である。したくないと思っていたが、エキスパンダーはした方が良いらしい。痛そうだと怖がる人が多い(実際に痛い事も少なくない)けれど、仕上がりもキレイだし、皮膚の感覚も戻りやすいとの事。乳輪乳頭まではまだ考えていなかったが、必要な人は組み合わせて完成させれば良いらしい。(例えるならばマクドナルドに行って、ハンバーガーだけ食べても良いし、後でポテトを追加しても良いし、最初からマックセットとして計画しても良い)
「足じゃなくて、お腹周りの脂肪を使って、お腹スッキリ&ストレッチマーク(妊娠線)をキレイにする事もできるよ」
なんて嬉しいオプションあり!(無料でシェイクを追加できます!)
そうは言ってもプランAは現実的である。極めて現実的である。痛い思いをして、手術代を払って、出来上がるのが現実的なもの。そこに人は夢や希望をいだけるだろうか?いや、私がほしいのは夢とロマンであったハズ。
「あの~できればこっち(健康な方)も大きくしたいんですけど」と遠慮がちに小さい声で伝えてみるが、そんなことで医師は顔色を変えたりしない。毎日多くの患者さんを診ているプロだから。希望するものがハンバーガーセットであろうがビッグマックセットであろうが、希望はキチンと伝えれば良いのだ。
そこででてきたのがプランB。
これは授乳期(風船が膨らんだまま)の胸を作ろうと言うもの。