◆新しいおっぱいづくり①乳房再建始めました
2018年6月、乳がん罹患から5年が経ち、6年目に入った。
いつか再建すると決めて約5年経過したのです。
なかなか再建に踏み出せなかったのは、出産・起業・出産・子育てと毎日が多忙であったのも理由の一つではあるけれど、一番大きな理由は、「胸がなくとも毎日平和で幸せ」だったから。胸のない生活はたまに不便だけれど不幸ではない。この5年間はこれまでで一番エキサイティングで幸せだった。それなのにわざわざ身体的かつ経済的な負担、リスクを負ってまで痛い手術を受ける必要があるのかと悩んでいた。
乳房再建は見た目の事だけでなく、女性としての自信を取り戻せるとか、明るく前向きになれるとか言われている。胸なし生活を謳歌していた私には、そんな壮大な思いはない。けれど、「新しいおっぱいを1からつくるのも楽しそうだな」との好奇心がいつしか勝つようになった。新しい事に進んでいく時はいつもワクワクする。
「いつか再建できる」という事実は、太陽のように先の道を照らしてくれていた。
する、しないは本人がその時々の気持ちや状況で判断すれば良いのだけれど、「いつか再建という方法で乳房を取り戻せる」という情報だけは全ての方に伝わってほしいと思う。
さて、再建をすると決めて私は2か所に電話を掛けた。
一つ目は実家の母親。1週間の入院期間中と術後の静養の間、家事や育児を手伝ってもらうためだ。母は快諾してくれた。
そして長女(3歳)には入院の1週間前に、マミーは入院する事を伝えた。
「マミーさぁ、もうすぐ病院に入院するからね。ほら、おっぱい1つしかなかったでしょ、病院に行って2つにしてもらってくるね!ねぇ、おっぱい2つになるの嬉しい?」
「うん、嬉しい!」と長女は笑った。
母は入院の前日に来てくれた。
次に長女に入院の話をしたのは同じく入院の前日である。
「明日からマミー病院に行くからね、ハナちゃんがナーサリー(保育園)から帰ったらいないし、次の日の朝起きてもいないよ」
「どうしてびょういんに行くの?」
「ほら、前言ったじゃない?新しいおっぱいつくってもらうんだよ」
「あ、そっか。」
納得したかと思ったらすぐに「・・・あのさ、うふふ」と笑いだす長女。
「おともだちがさ~本をい~っぱいホンダマ(本棚)からもってきたんだよ。うふふ」
入院・手術に関してはあまりまだ実感がなさそうである。
ばあばが来てくれて嬉しいし、テンション高い。
しかしながら、突然するどい質問も飛んでくる。
「ねぇ~どうやっておっぱいつくるの?」
それは良い質問だ!とは言え、手術跡の傷を切って、筋肉割いてはがして、エキスパンダー挿入してくる事を上手く説明する自信はない。
「難しいことなんだけど、先生がね手術してくれるんだよ」
「そっか~、抱っこできなくなるんだよね?」
「しばらく重いものは持てないからね、でもギュ~とハグはできるよ」
「そっか」
2つ目の電話はフォトスタジオだった。