◆カラダに金属秘めて海外旅行(続編)
「ア、アイハブ ア メタル イン マイ ボディ・・・」
マンチェスター空港、特にセキュリティ検査のエリアはピリピリした空気が立ち込めておりました。マンチェスターはテロや諸々の事件が少なくないエリアですから、当然検査員の目も鋭くもなるわけです。
さて、検査を受ける前に伝えなければいけません。何を伝えるかと言えば・・・私は乳房再建の途中でティッシュ・エキスパンダーが胸に入っているから、金属探知機で反応が出ます。しかし、それを証明するカードはスーツケースに入れたまま預けてしまいました。そう言う内容の事です。
そこで最初に頭に浮かんだのはこのフレーズ。
「ア、アイハブ ア メタル イン マイ ボディ・・・」
検査員の表情も鋭い目も変わりません。
私の英語力では太刀打ちできないため、夫にバトンタッチ。彼は「My wife is……」と長い説明をし、最後に、カードはスーツケースに入れて忘れてしまったと恥ずかしそうに頭を掻いておりました。
男性検査員は鋭い目を我々から離さず無線で何かをしゃべり、新たな男性検査員(男性検査員②)が登場。夫がまた説明し、頭を掻く。そこに新たな男性検査員(男性検査員③)が登場。夫がまた説明し、頭を掻く。デジャヴのような光景に目を擦っていると、やっと抜け道を案内していただけ、靴を脱いでX線検査を通し、そして、個別のボディチェック。立ちチェックが終わると、椅子に座らされて膝の裏まで丁寧に金属探知機を当てられました。危機迫るものを感じます。「マミーと行くー!マミーと行くー!」とお約束のように次女も叫びますが、そんな叫びが通用するハズもなく、彼らはみんな金属探知ゲートを通過。
そして我々家族は晴れて自由の身となりました。
それにしても、ご迷惑をお掛けしてしまった。空港職員のみなさま、お待たせしてしまった旅行客のみなさま、ごめんなさい。
ちなみに、乗り継ぎはアムステルダム空港でした。ここのセキュリティでも「My wife is……」と夫に説明をしてもらいまして、検査員男性②も③も登場する事はなく、比較的穏やかに事が運びました。セキュリティ検査の対応はそれぞれの空港や国の状況によって様々です。
再建中に海外旅行に行かれるみなさま、最悪の事態に備えてきっちりと医療保険の内容を確認しておくこと、患者カード(できれば多少は現地の現地の語学も)をお忘れなく。
長期間にわたり身体に金属が入っているということは、なかなか不便であります。病気になって諦めなければいけない事はいくつかありましたし、治療にはお金も時間も根気も必要。だからこそ好きな事、楽しむことを貪欲に続けてゆきたい。
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