31歳で乳がん、治療、乳房再建、39歳で3回目の妊娠・出産~私の場合~

赤ちゃんを抱いている女性のイラスト

下着屋Cloveのボーマンでございます。
2021年はいよいよ40代に突入予定、と、その前に・・・今月末がいざ、3人目の子供を出産予定です。幸運な事に、3人とも乳がん治療後に授かりました。

私は31歳で乳がんが見つかり、術後にホルモン療法をするかしないかで悩み悩んで治療を辞退しました。少しでもリスクとなる事は避けたくて、同時再建もしませんでした。乳がん治療が落ち着いた頃には、気持ちばかり焦り婦人科に駆け込み、黄体ホルモン不全だね~、乳がんの既往歴があるから排卵誘発剤は使えないね~などと言われ、色々ありつつも(本当に色々あったので、いつか機会があればお伝えしたい)2人の娘に恵まれたことで、これにて家族計画終了!!と考え乳房再建をスタート!自家再建のドナーにお腹の脂肪を使わず太ももを選んだ時が38歳。ここで予想外の事態が起こります。

幼い子供達の写真
写真、ぶれています💦

二人で遊んでいる子供達を見ていると「ひょっとして・・・3人いたらもっと楽しくなるんじゃないか?」という気持ちがこみ上げてきたのです。予想外の事=人の気持ちは結構変わる」という事に直面し、正直自分自身驚きでした。

それから、幸運にも3人目に恵まれ、39歳にしてコロナ禍出産、間髪入れづ40歳にしてコロナ禍育児に突入してまいります。
あくまでも私の場合ではありますが、結婚3カ月、31歳で乳がんが見つかった私の経験を記載する事で、みなさんにとって参考になる事があれば幸いです。(良かったら過去の記事「31歳結婚3カ月で乳がんの私がマミーと呼ばれる日」もご覧下さいね)

※このコラムは医療者ではない、患者視点から書いております。よって正確な医療情報については、厚生労働省もしくは国立がん研究センターのホームページの閲覧をおススメいたします。M(  )M
国立がん研究センターがん情報サービス~がん治療と生殖機能への影響について~

<目次>

目次

31歳で乳がんが見つかり、私生きていけるのか?生きていけるとしても、もはや妊娠できないと絶望・・・

乳がんが見つかったきっかけ

右胸にシコリを見つけたのは、30歳になるかならないかの時。胸にシコリって乳がん!?と心配になりすぐさま検査を受けるが、伝えられた結果は「乳がん」ではなく「経過観察」。また6カ月後に検査しましょうねという言葉でした。やっぱり!「がん」なんて他人事で私には関係ないのだと確信。その後も同じ検査(エコー)を繰り返すが、がんの診断は出ることはなく。結婚を機に関東へ引っ越し、検査をする病院を変えたタイミングで乳がんの告知を受ける。31歳、結婚3カ月、セミが鳴き始める2013年初夏のことでした。

おもちゃの病院の写真

時々チクりと痛みを感じた”しこり”

シコリの大きさは小指の先程度、グミのような硬さ、そして、時々チクりと痛みを感じるものでした。健側に比べると、乳房も少し硬くて熱感があったような気がします。私にはこれらの症状はありませんでしたが、他にも、乳房にえくぼやただれができる、左右の乳房の形が非対照になる、乳頭から分泌物が出る、などの症状があり乳がんに気が付いた方もいらっしゃいます。

乳がん治療と妊娠、ホルモン療法?

がんの告知とともに「早期発見のがん」である可能性が高い事も告げられました。治療をすれば命はつなぎとめられる、そう理解した私が次に先生に質問した事は「将来子供をもつ事について」。


私:「先生、乳がんになっても将来子供を持てるのでしょうか?」

先生:「ダメダメ絶対にダメ!奇形児ができるから!」→本当にこんな言い方でした(T T)

これは、ある意味がん告知以上にショックでした。この先も私は生きていけるのかも知れない(この乳がんで死ぬことはないのかもしれない)けれど、もはや母親になることはできないのだと絶望的な気持ちに・・・。

しかし、よくよく話を聞いてみると、例え早期発見の乳がんであっても手術の後には”ホルモン療法”をする事が多い。その間の妊娠はダメ、なぜなら胎児の奇形の心配があるから。そんな内容でした。

乳がん治療のためのホルモン療法って?

薬の画像

ホルモン療法薬は、ホルモンの分泌や働きを阻害して、ホルモンを利用して増殖するタイプのがんを攻撃するお薬。治療期間は5年~10年と長期にわたる事が多いです。この間は避妊の必要があります。また、授乳中の服用も避ける必要があります。
ホルモン療法の手引き(国立がん研究センター中央病院)

乳房再建手術と妊娠、同時再建する?しない?

同時再建って?

同時再建とは、がんを取り除く手術と新たな乳房をつくる手術を同時に行う事。偶然にも、私が乳がん手術を受けた2013年7月にティッシュエキスパンダーとシリコンインプラントによる乳房再建が保険適用になりました。
乳房再建について(国立がん研究センター中央病院)

乳房再建手術と妊娠、妊孕性(にんようせい)の温存する?しない?

妊孕性(にんようせい)の温存って?

がんの治療が生殖機能に影響し、妊よう性(妊娠するための力)が失われる前に、卵子・卵巣・受精卵などの凍結保存をする事です。
妊孕性の温存について(国立がん研究センターがん情報サービス)

ホルモン療法を辞退、同時再建、妊孕性の温存をしないと決めた理由

はてなを付けた猫の写真

乳がん手術後、妊娠の可能性を目指しホルモン療法を辞退

乳がん手術の後の病理検査の結果、私のがんはホルモン陽性(=ホルモン療法による治療が効果的である)と分かり、主治医からは治療をすすめられました。乳がんをやっつけるためには治療をした方が良い、けれど、ホルモン療法をおこなう5~10年は絶対に妊娠してはいけないわけで・・・術後32歳という年齢を考えると簡単には決める事ができませんでした。
そこで、主治医と主人とよくよく相談をして、治療しないリスクもよく理解した上でホルモン療法辞退を選択しました。

同じ年齢で乳がんが見つかり、キッチリと5年間のホルモン療法を終えてから子供を授かった方もいらっしゃいます。

治療法については「誰に対しても○○がベスト」という方法はなく、一人ひとりが治療によるメリット・デメリットを理解した上で”選択を自分でする”ことが大切なのではないかと思います。

ちなみに、標準治療とは、現在利用できる最良の治療で一般的な患者さんに行われることが推奨される治療の事です。標準=最高ではない、と勘違いされませぬようにご注意を!

空にハートが描かれた写真

少しでも妊娠へのリスクを減らしたい、同時再建しない選択

先ほどもお伝えしましたが・・・私が乳がん手術を受けた2013年は乳房再建の保険適用範囲が広がり、同時再建をする女性が増えていた時期でした。なぜ、私が同時再建をしなかったのかと申しますと理由は大きく2つです。

1:乳がん告知から手術までの間は1カ月しかなく、その間に調べたり選択しなければならない事が色々あり「後でもできるんなら、乳房再建は後でいーや!」と考えたこと。(と言うか・・考えるのをやめたという表現が正しいかも知れません)

2:同時再建をして感染や破損、皮膚壊死がおきた場合には、人工物を取り出す手術が必要となるとの説明にビビった事。術後、めでたく妊娠したとして、このようなトラブルがおきたら大変だ!!!!と、もはやネガティブ過ぎるのかポジティブ過ぎるのかよく分からない思考に傾いておりました。しかしながら、このようなトラブルは極めて稀ですので、安易に自分だけで決めずに主治医とよくご相談される事をおススメします。

分かれ道の写真

希望はしてみたものの、妊孕性の温存をしない選択

2013年当時、妊孕性に関する情報提供は病院からはありませんでした。
ホルモン療法を理由に「妊娠ダメダメ」宣告をされ、何か方法はないかと必死で調べたところ、手術日直前に参加した乳がん大会で「妊孕性」という言葉を知ったのです。抗がん剤やホルモン療法など治療を始める前に、卵子・卵巣・受精卵の凍結保存ができる!少しでも子供を持てる可能性が上がるのならばやろうではないか!というのが我々夫婦の考えでした。

早速、主治医に相談をしたところ・・・「あなたは早期発見の乳がんである可能性もあるわけですから、妊孕性温存を考えるのは術後の病理検査結果を知ってからで良いのでは?」と告げられ、なるほど!と納得して、妊孕性の温存をしない事に決めました。

妊孕性の温存について知っていても知らなくても「しない」事には変わりなかったわけですが、術前に主治医と話してよく考えた上で「しない」判断をした事は精神面には大きな意味があったと感じています。

乳がん罹患後の妊娠・出産、心配に感じた事

妊娠中、授乳中は検査がしにくい

手術の後の治療を一つ辞退している自分にとって、年に1度の定期検査は非常に重要です。が、妊娠・授乳中は検査がしにくいことが判明しました。

妊娠・出産と乳がん検査➀マンモグラフィー検査

妊娠中は放射線被爆を避けるため、マンモグラフィー検査はあまり望ましくないようです。

妊娠・出産と乳がん検査②エコー検査

妊娠中・授乳中ともに乳腺が発達しているので「しても良いけど、正確な結果は出にくい」って事で・・・・これはちょっと心配だったので、計画的に授乳を早めに切り上げて検査に臨みました。

下着屋Cloveオンラインショップの画像
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乳がん治療、乳房再建を経験してからの3人目の妊娠・出産

妊娠経過は3回とも全く違った

加齢、妊娠回数、など色々な影響により経過は3回とも違いました。本コラムでは書ききれないボリュームの内容になりそうなので詳細は割愛しますが、2人は元気に産まれてきて、3人目もそれに続こうとしております。(続いてくれ・・・)

しかし、乳房再建手術をした後である3回目の妊娠時に特徴的に違うな~と感じた事が1つだけあります。それは、膝裏にできた下肢動脈瘤。1人目の時も2人目の時もできましたが、3人目の今回は右側だけがヒドかったです。

※すすんでいくと足の写真があるので見たくない方は画面を隠しながら進んで下さいね。

M( )M

乳房再建のために右足の脂肪をドナーにして、足の付け根の血管をいじったりしたからかな?とついつい思ってしまいますが、原因は加齢?右足に力入り過ぎ?偶然?などいろいろ考えられ、必ずしも手術が原因ではないと思っています。

では写真。

ソファでくつろぐ女性のイラスト

見たくない方はご注意。

左足膝裏の写真
左足膝裏

右足の静脈瘤の写真
右足の膝裏
血管がすごいです

明らかに色が違いました、両方ともむくんでいますけど^^;

最後に・・・

長々と書きましたが、私が伝えたいのはこの1点です。

2人に1人ががんになると言われる時代です。がんが見つかる前に、がんについて我が事として考え人生設計を見つめてほしいのです。将来、どんな自分でありたいですか?今の働き方は、いざという時に(本人が望めば)「治療をしながら働く」ことはできますか?今のままで「医療保険」は十分ですか?家族の関りはいかがでしょうか?優先したい事(毎年海外旅行に行きたい!)はありますか?病気の事を考えなきゃと思うと身構えてしまいますが、「私はこんな風に生きていたいなぁ~」と考えるのは悪い気がしませんよね?^^
私は乳がんが見つかってからは、調べたり選択したりの連続でした。よく悩んで、治療や手術を”自分で選択した”実感がある事が前向きな気持ちに繋がっている気がします。主治医には、ぜひあなたの夢や希望、将来設計を伝えてくださいね。

がんが見つかった後も、がんと共にいきている方が沢山います。

がんが見つかっても見つからなくてもみなさんが、素敵な毎日を過ごされますように☆

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女性の写真

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