若いがん患者の卵子・精子凍結保存が助成対象に!?

若いがん患者の卵子・精子凍結保存に助成が始まるようです!すごいと思いました!
参考記事:毎日新聞のネットニュース。
この件、個人的にはすごく喜ばしいのですが色々思う事もあり、わたくし医療者ではなく単なるがん患者の立場でありますが、ちょっと書いてみたいと思います。当記事は31歳の時、結婚3か月目で乳がん告知を受けて「命の次」に将来子供をもてるかどうかに悩んだ経験を持つ、私の視点から書いております。よって正確な医療情報については、厚生労働省もしくは国立がん研究センターのホームページの閲覧をおススメいたします。M(  )M
厚生労働省がん対策情報
国立がん研究センターがん情報サービス

目次

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若いがん患者の卵子・精子凍結保存について

➀若いがん患者の妊孕性(にんようせい)の温存=卵子・精子の凍結保存とはどんなもの?

なぜ妊孕性の温存が必要なの?

抗がん剤や放射線による治療を受けると、卵巣や精巣に悪影響を及ぼし、卵子や精子の数が極端に少なくなったりして、子どもを作るのが難しくなることがあります。乳がん治療の標準治療であるホルモン療法では、治療期間が5年~10年と長期にわたるため、加齢による妊孕性(にんようせい=妊娠する力)低下の恐れもあります。治療後に移植して子どもを授かるため、妊孕性に悪影響を及ぼす治療前に卵子や精子を採取・凍結保存します。

費用について

未授精卵子の凍結保存:30~40万円 その後年間数万円の保管料が必要
卵巣組織の保存:60~70万円
受精卵(胚)の凍結保存:30~50万円 その後年間数万円の保管料が必要
精子の凍結保存:数万円

岡山大学病院リプロダクションセンターの冊子が見やすいです。
http://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/img/file114.pdf

これまでのハードル

情報の問題

これまで(私ががんに罹患した約7年半前もそうですが)は”命を助ける事”が最優先され、妊孕性の問題は二の次とされがちでした。そのため、当時の私はがん治療の説明を受ける時に妊孕性についての話は全くありませんでした。必要な人に必要な情報が届いていない状況がありました。現在は少しづつ改善されてきているようです。

経済的課題

AYA世代(若年世代)のがん罹患者は、社会的資源が少なかったり、蓄えが少なかったり、若さから医療保険に加入していなかったり、経済的に厳しい状況の方が少なくありません。そんな時、病気の治療費に加え、30~50万円の自己負担(女性の場合)が必要となると、本当は必要だと考えていても、経済的に諦めざるを得なかった人もいたはずです。

精神的課題

妊孕性の温存ができる施設は限られていて、がん治療を受ける病院でできるとは限りません。がんの告知を受けて精神的にショックを受けている時、治療・手術・必要ならセカンドオピニオン受けなきゃ!と頭の中はいっぱいです。精神的にも時間的にもあまり余裕はありません。さらに、パートナーがいない方は特に、一人で生殖医療を受ける事に抵抗を感じる場合もあります。

②31歳で乳がんを経験した私の選択

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命の次に悩んだ妊孕性

がんの手術、術後の治療についての説明を受けた後、将来子供を持てるかどうか聞いてみたところ、「ダメダメ!絶対ダメ!」とハッキリ言われました。理由は、例え初期の乳がんであっても、見えないがん細胞が体中に散らばっている可能性を考えて通常はホルモン療法をする。その間の妊娠は胎児に悪影響を与える可能性があるから絶対にダメ!と言う事でした。ホルモン療法が5年~10年と長期にわたることを考えると、その後の妊孕性の低下を不安に思わざるを得ない状況でした。術後は32歳。そこから5年治療をすると37歳、10年なら42歳になっているのです。私と結婚したばかりに夫の将来設計も狂わせてしまったかも知れないと感じました。

よく悩んで自分で選んだ選択だから後悔なし

手術の後、病理検査の結果を受けてホルモン療法を勧められました。抗がん剤が必要ないのは幸いでしたが、ホルモン療法をするとなると加齢による妊孕性低下(年を重ねる事で妊娠する力が低下してしまう事)が不安でした。非常に不安でした。そこで、当時の主治医、夫とよくよく話し合い、私はホルモン療法を辞退しました。この判断は正しいのか正直今でも分かりません。けれど、よく悩んで自分で選んだ選択なので後悔はありません。
私の乳がん経験よかったらご覧になって下さいね。
31歳結婚3カ月で乳がんの私がマミーと呼ばれる日

③妊孕性の温存が全てを解決するわけではない

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妊孕性の温存に助成が始まる事は、必要な事だし、個人的にはとても喜ばしいです。自分の時にもこの制度が欲しかったです。あったらどんなにありがたかったかと思います。しかし、妊孕性の温存が全てを解決してくれる魔法の技術ではない事、妊孕性の温存を続けながら悩んでいる人がいる事も知っていて欲しいと思います。

妊孕性の温存をした人全てが子供を授かる訳ではない

妊孕性の温存をした人全てが子供を授かる訳ではありません。
また、妊孕性の温存のために高額な費用を払ったけれど、パートナーがいないまま40歳を越えてしまった。自分はいつまで契約を更新して保管料を払うのだろうか。悩むけれど、大切な卵子を簡単に捨てる事はできない、と言われる女性もいます。

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厚生労働省の資料「不妊治療をめぐる状況」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r985200000314yg.pdf

幸せは人それぞれ

結婚して家族を持つことが幸せというイメージが強いと感じます。(しかもなぜか子供は二人で、内訳は男の子1人、女の子1人がベストのようなイメージが・・)でも本当は、幸せって人それぞれのはず。社会から”結婚”、”妊活へのプレッシャーがなくならないものかと思います。

●妊娠・出産せずに親になる方法

私にがんが分かり妊孕性に悩んでいた時、夫は養子縁組を提案してくれていました。外国出身の彼だからこその提案だったかも知れません。見た目が違って血のつながりのない子供の親になるってイメージは私にはすぐにはできませんでした。簡単には考えられませんでした。でも、気にしてみると意外と身近にも養子縁組でつながった家族がいる事を知りました。選ぶ・選ばないは別としても、里親・養子縁組の制度がもっと一般的に広がってほしいと思います。
31歳結婚3カ月で乳がんの私がマミーと呼ばれる日(養子縁組について考える編)

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④最後に・・・

繰り返しになりますが、妊孕性の温存に助成が始まる事は、必要な事だし、個人的にはとても喜ばしいです。自分の時にもこの制度が欲しかったです。あったらどんなにありがたかったかと思います。しかし、妊孕性の温存の選択をする前に、妊孕性の温存が全ての解決策にならない事、温存をしたけれど悩んでいる人がいる事、幸せの感じ方は人それぞれである事を知ってほしい(国からも広報してほしい)と思います。がんに罹患してから、短期間の間にこれらの情報を得るのは難しいです。がんに罹患する前から、がんについて、妊孕性、養子縁組・里親制度の正しい知識を持っていたらと思うのです。

最後までお読みいただいてありがとうございました。
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